新興国通貨の今後

新興国通貨が投資対象となったのは、世界的な経済危機がその引き金でした。2008年にリーマンショックが起こり、アメリカに投資していたマネーが急に引き上げられました。その結果行き場を失ったマネーは新興国に行きました。これによってブラジル、ロシア、タイ、インドネシア、トルコなどの通貨価値は飛躍的に高くなりました。特にブラジルやロシアなどは資源国のため(詳述:みずほ投信投資顧問株式会社:資源国高金利ソブリンファンド(毎月決算型))、資源マネーが流れ込みさらに通貨が高くなりました。

日本やアメリカなどの先進国では通貨が安い方が、株価などが上がります。これは先進国が輸出で儲けているからですが、新興国は工業製品の輸出はまだまだで、輸入に頼っているので、自国の通貨が高い方が景気が良くなる傾向があります。この通貨高によって、新興国の経済は急速に拡大し、マンション建設が進んだり土地の買い占めが起こるなど、投資熱が高まりました。

しかし、この流れも急に変わってきました。新興国の通貨が急に安くなり始めたのです。これはアメリカが行っていた金融緩和を縮小し始めるといわれている、その憶測から生まれており、この傾向が平成25年7月頃から特に懸念されています。アメリカのような経済大国で金融緩和が行われていると、当然金利が下がるので金利が高い新興国へと通貨が流れてゆきます。しかし金融緩和が縮小されると金利が上がり、その結果新興国から逆にアメリカドルなど経済大国の通貨へ投資マネーが戻るのです。

そのような情勢が予測されることもあり、新興国は今後、今までのように経済が拡大していくのは難しいと言われています。特に資源に頼り、工業化が進んでいない新興国は輸入コストは上がる一方で、輸出するものは資源しかないからです。先進国も新興国も同時に景気が良くなるというのは難しいということだとも言えます。