新興国通貨と投資

BRICSという言葉(詳述:門倉貴史のBRICs経済研究所)に代表されるように、目覚しい成長率を達成し続けていた新興国通貨建ての金融商品が脚光を浴びていますが、次第にアメリカなど先進国の経済成長が減速傾向を見せてきたことで、新興国の経済成長も影響を受ける情勢となってきました。

今までですと経済大国間の金融危機は局所的に影響があったものですが、インターネットのようなネットワークが世界中の至るところに浸透している今日、経済発展が望ましい新興国が先進国経済の影響をかなり受けるようになって来ました。そのため投資家は経済に対する影響の速度と度合をいかに正確に、そして迅速に把握できるかということが自己防衛のための対処法として重要になってきています。

実際、私たちが日常生活で見聞きする世界市場のニュースの多くは、投機や投資といった手法で生まれてくる利益の話ばかりです。特にここ数年は、非常に膨大な量の通貨が新興国に流れているのです。にもかかわらず、市場としての世界を見回したときに、流通する商品そのものは変わっていないのです。新興国の通貨価値がアップしているのも、各国政府の国策によるところが多く、今後10年間同様の高金利が続くのかといえば、誰もわからないというのが現実です。

私が特に気になっているのは、流通する通貨量がその商品に見合った量以上の通貨量だとすれば、砂上の楼閣に対して投資をしているような、そのリスクが高まって来るのではないかということです。現在主たる投資先となっている新興国への投資に依存する度合が強いほど、いわゆる投資バブルが崩壊する危険性が高まるでしょう。特に新興国は資源や食糧などに依存した投資対象が多く、それらが一瞬でも悪影響を受けたりすれば、一気に投資バブルがはじける危険性をはらんでいます。そのことだけは投資家として常に認識しておきたいと思います。